自分の知っている場所が一つ、また一つとなくなっていく。
自分の知っている風景が一つ、また一つ変わっていく。
それは自分の居場所がこの世の中から失われていくような感覚を覚えることだ。
自分がそこにいた思い出が地上から消えてしまうような心細さと、自分の思い出が完全に周囲から忘れ去られていく悲しさが、まるで生きながら「死」を経験しているかのような錯覚を生む。
だから、人は出来る限り自分の知ってる場所に長く残り続けてほしいと思うんだろうね。
きっとこの心細さと寂しさに対抗するには、変わった先の未来の場所にも自分の思い出を作る他ない。その思い出がさらに未来の居場所になるだろうからね。
なんと寂しい生き物だろうね。