毒にも薬にもならずただじっとしている

読んだ後に何も残らない、を提供していきたい

今年の目標達成

これは私のくだらない目標なのだけれど、毎年最低1つは新しいことをするようにしている。

その新しいことは何でもよくて、大体今までは資格を取るとか行ったことのない場所に行くとかが多い。そのため、最低1つとは言いつつも、調子の良い時は毎月新しいことをしていることもある。

しかし今年はいつにも増して些細な新しいこと稼ぎをしている。そんな中でも今年一のささやか新しいことと言えば、カラコンを付ける、だ。さすがにささやかすぎだろう。

ちょっと反省の意も込めて、先日、翻訳家の柴田元幸先生のオンライン朗読会なるものに初めて参加した。(これならささやかすぎることはないだろうと胸を撫で下ろす。)

ちなみにこれだ↓(なんと毎月開催しているようだ!)

https://tegamisha.com/news/news-1530/

柴田元幸さんと言えば、アメリカ文学の専門家で、私も大学生時代に読んだアメリカ文学作品の記憶に残っているほとんどが柴田先生の翻訳だった。

中でもポール・オースターの『幽霊たち』を読んだ当時、柴田先生はまだ東大准教授という肩書きだった。(よくよく考えると、その時持ってた本も初版の頃は准教授だったのだろうけど、私がそれを手にした時にはもうとっくに教授になってたんだろうな)それが今はどうだろう。朗読会のことを聞き知って少しネットで調べてみたら、今や東大名誉教授なのね…。名誉教授がまだ日本に入ってきてない出来立てほやほやの最新アメリカ文学作品を、朗読会で読んでくれるという、なんと贅沢な時間なのか。そう思って告知の開催日はいつかな?と目を滑らせると、なんと2日後だった。これは参加しなさいという啓示に他ならぬ。私は嬉々として参加の申し込みをした。

会は1時間の予定だったから、どんな作品を読むのか?作品全部じゃなくて一部抜粋とかなのかな?とか、質問コーナーもあるけど、住む世界が違いすぎて何を聞いたらいいんだ…好きな食べ物とか?とか、色々考えて考えてしてたが、始まってしまうとそんな心配は全く必要なかった。

参加者は私を含めて40人程で、zoom慣れしてるのか、殆どの方が画面オフで柴田先生を進行を聞き静かに参加していた。時たま柴田先生からの問いかけにチャットで色々答える場面もあったが、終始柴田先生と出版社担当の方のペースが心地よく、1時間はあっという間に過ぎていった。

朗読は短編を2作品と、今まさに翻訳作業中の絵本の1冊概要紹介をしてくれた。参加者からも朗読した作品に関する質問がちらほらとチャットで上がったが、それにもさらさらと回答してくれた。なんだか、大学の講義を思い出す時間だった。

初の参加だったこともあり、意気込んでカラコンを付けて臨んだのに、ひよって顔出しもせず質問もできず、なんなら紹介してくれた絵本がすごく自分好みで発売されたら購入しようと思ったのにタイトルと作者名を覚え損ねるという失態をかました私だが、来月も懲りずに参加しようと思った。また、懐かしくなって、図書館で柴田先生訳のポール・オースターの『ムーン・パレス』を借りてきた。気分は夏休み(普通に仕事だが)なので、読んで読書感想文でも書こうかな。